天然パーマ、人生辛し。
吾輩は天然パーマである。
それもなかなかの天然パーマでして、昔近所の老夫婦がやってた1000円カットで髪をすいて量を減らしてもらおうと思い行ったことがあるのですが、吾輩の洗礼されたクルクルがハサミに絡まりに絡まり、まさにハサミの触手プレイ状態。シンプルに激☆痛。髪を切る行為で感じられる痛みとしてはなかなか味わえない、「ff(fortissimo − フォルティッシモ − 非常に強く)」だったんですね。
他にも学生時代、好きだった女子からは「ステンレスたわし」とかあだ名をつけられていたり、ふと部屋に落ちている毛が”果たして自分の髪の毛なのか陰毛なのか、それとも腋毛とか？マジでわからなない”こともあったり、夏には頭の中で「ハエが死んでる」こともありました。
そもそもこの天然パーマという名称、略して「天パ」という呼び方が我々を非常にバカにしている。天然物と言えばなんだか新鮮で聞こえがいいかもしれないが、新鮮さを微塵も感じられない不快かつ清潔感を感じえないクルクル具合。そしてこの天然さが人生を良い方向に導いてくれたことは本当に一度もない、これっきりもない。
安易に「天然」と名付けたことで「天パ」と略しやすくなってしまい、この言葉を命名した方は絶対天然パーマじゃないと思う。吾輩達の心情を一ミリを理解していないのに、スタンダードな名称として定義するのはやめていただきたい。
「天パ」それは見事なまでに３文字言いやすく、語尾が「パ」で終わるのが絶妙にアホらしい。もし”ナチュラルパーマ”と呼ぶのであれば少しは聞こえがいいかもしれない。しかしそんな自然を感じるカワイイ呼び方をされたことは１回もない。ホンマ、グッドデザイン賞のお偉いさん方よ、「天パ」に変わる素晴らしいワードを作ってくれ頼む。
そんな天然パーマだが、「何かとあだ名をつけられる説。」
かく言う私も本当に沢山あだ名をつけさせていただきまして（勿論、大体不本意なヤツ）、「ちり毛」「焼きそば」「アルパカ」「モジャ」「ウニ（中身の方）」、ありていな奴だと「○○毛」とか「○○毛」と”シモも欠かさない”守備範囲の広いあだ名の多さ。
いやぁありがたい、多分天然パーマの人はあだ名で困ることはないだろう。自分に覚えがなくても心配なさんな、多分自分の知らないところで散々言われていることもあるから（経験者は語る）
そういえば直毛も直毛で辛いとかいう悩みを聞いたこともありますが、辛いの度合いが山で例えるならば「高尾山とエベレスト」くらい違うと思います。いや、言い切って違うまで言いましょう。断じて否なのです。
まずですね、直毛には前述した「天パ」のようなアホらしい名称がありません。けどそれはムカつくので今、僕が考えてつけます。直毛の皆様は「勃起毛」です。「ぼっきげ」と読みます。素敵なあだ名をどうもありがとうどくがんりゅーさん石油上げるって思ってくれても良いです。
それと天然パーマと違って髪の毛のアレンジ具合によっては直毛から緩やかパーマなどに派生ができる点も良くない。そもそも直毛の頭には虫が突撃してきても髪の中で滞在することはないじゃないですか？？？もうそれだけで良くないですか？？？？
あと中学生の時は髪の毛の中にシャーペン刺されて「筆箱要らず〜〜〜〜〜♡♡♡♡♡♡」とかやられてましたね。直毛の皆様は頭が筆箱になって悩むこともないじゃないですか？？？？もう本当に悩まないでほしい。いや、悩んでもいいけど筆箱の気持ちにもなって（？？？？？）
高校生という多感な頃も勿論天然パーマに悩んでた僕。水泳の授業の後は同じ天パで悩むKくんと一緒に、昼休みの時間を使ってヘアアイロンで髪を必死に伸ばしていた。
だがそんなKくんがある日、髪の毛がサラサラになっているのをみて彼に「ええ！？遂に直毛になる技術が開発されたの！？！？！？」
「バカだな、縮毛強制っていうんだよ」
「！？！？！？？！？！？縮毛強制！？！？！？？！？！？！なにそれ魔法！？？！？！？？！？！」
縮毛矯正、それはまさしく魔法。お金と時間はかかるが、現代で天然パーマを救う唯一無二の方法。
それを聞いた当時のボクはそれは縮毛矯正に興味津々になり、一刻も早く縮毛矯正をかけたい！そんな気持ちだった。
だが縮毛矯正をするには美容室に行く必要がある。今までMAXが1500円カットだった僕が美容室なんかいけるのだろうか？？？アレだろ？2chのみんなが自前のシャンプーちゃんと持って行けよって言ってるとこだろ？？？？？
そんな悩みを当時のアルバイト先の先輩に相談してみると、いつも自分が行っている腕の良い美容室を紹介してくれるとのこと。先達の教えはどんなことでも有難い。あと、自前のシャンプーはいらないらしい。
休日。美容室というからには青山とか代官山なのだろうと思ってたが場所は思いっきり地元。先輩と待ち合わせしてとりあえず言われるがままにについていく。
ジーンズメイトで買った精一杯のオシャレをして初めての美容室へ行った。
未知なる空間、溢れるオシャレさでオレは激しく緊張していたと思う。
感覚的には初めて一人でラーメン屋に入った時の10倍くらいの恥ずかしさ、そんないつまでもウジウジしているオレを見かねて先輩は代わりに髪型の注文をしてくれた。
「コイツ、いつも髪がモサモサだから俺みたいに思いっきり切っちゃってよ」と。
オイ、まて。俺は縮毛をかけにきたのであって思いっきり髪を切りにきたのでは決してない。確固たる、夢にまで見た気持ちで縮毛矯正をかけにきたのである。その思いも伝えていたのに何故なのか。
だが色々話を聞いたり、モデルさんの髪型を見ているとバッサリと切ってオシャレ短髪にするのも悪くない気がしてきたので、先輩の言う通りにした。天然パーマの持つ確固たる思いよりオシャレな先輩とその先輩が信頼する美容師さんの言うことの方が絶対に良いと思ったのである。思ったのに結果、9割坊主よりのオシャレ坊主に仕上げられた。本当に何故なのか。
美容師さんも先輩もスッキリしてとても似合っていると言ってくれた。自分は「コレマジでただの坊主なのでは？？？5000円近く払って坊主なの？？？？？」とか思ってた。が今までクルクルで人に髪を褒められることが無かったのオレの判断基準なんぞ当てにならない、世間一般の総意を受け入れよう、坊主はオシャレでクール…と言い聞かせた。オレは笑顔でそう思ったんだ。
数時間後、いつものオタク仲間（阿部組）の面々にオシャレに生まれ変わったオレを見せに行った。これ以上なく笑われた。悪意のある、だが裏表のない笑いだった。
先日、美容室で似たような話になり、今度は何故か”ツイストパーマ”をかけたのですが（天然パーマがパーマをかけると一周回って裏返るらしい（?????））これが見事に失敗パーマでして、元の酷い天然パーマが悪魔のような”修羅パーマ”に進化してしまい、本当に泣きたい気持ちでこの記事を書きました。 しかもこの梅雨の時期に髪型がうまくまとまらないのが本当にショックです。
坊主になった時は卒業式前だったので、なんと卒業アルバムにも僕の坊主が記録されてしまいましたね。何事も人に流されず、ちゃんと自分の意見を持つ。美容室は医者と同じ。
それと天然パーマで髪が細い人ってハゲやすいとも聞いたことがあります。
マジで呪いかよ、天然パーマ。
神の救える手、お待ちしております。湿気メッセよ。
